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2009.11.06

歴史小説を偏見を持って読んでみる

みなさんこんにちは。
今日もよいお天気ですね。


最近お世話になっている先生のブログに付いたコメントに、
「南北朝時代を題材にとる作家は、作家として終わりにさしかかっているか、死期が近い」というお話があって、
えっなにそれ?どんな都市伝説?と思いながら、私は
「そう言えば昔、司馬遼太郎氏が雑誌の対談で、「南北朝にはまったく魅力を感じない」という話をしてて、」というコメントを付けたのですが、
ネットを徘徊していましたら、偶然上記の「死期が近い」という話も、司馬遼太郎がしているという話を見つけてしまいました。
文春文庫「手堀り日本史」に書かれたエッセイの中でのお話で、他にも角川文庫の「司馬遼太郎の日本史探訪」に同じような話を書かれているそうです。
「物語を物語る」というブログで大変詳しく紹介されていますので、取りあえず気になる方はこちらをご覧になるとよいかと思います。
私が読んだ対談では、「興味ないから」。でさくっとこの話題は終了って感じに、
「えっ?それだけ?」とがっかりしただけだったのですが、エッセイの方はかなり辛辣で、
それを何度も書いているということは、よほどこの時代が嫌いなのか?何か恨みでもあるのか?と思うほど。ってゆーか、「書きあげると(中略)亡くなってしまわれる」って言っちゃうだけでもすごいよね。


さて、最近私はつくづく言葉を知らないな~と思うことが多々あって、
考えてみると、ここ数年まともに小説という物を読んでおりませんので、ちょっとその辺の文学的な言い回しなどに改めて触れてみたいと思い、ついでに文学の世界で私の愛する足利直義さまは、どういう書かれ方をされているのかも知りたくて、南北朝時代を扱った時代小説を読み始めました。
いや、実は私、時間だけは長いことこの時代に興味を持ち続けながら、この辺の小説ってほとんど読んでないんですよね。「直義っつったらコレ」みたいに言われる「風の群像」もやっと読んだくらいで・・。


で、手始めは山田風太郎「婆娑羅」講談社文庫。
山田風太郎が南北朝書いてたんだ~。とちょっと驚きながら選んだのですけれど、読み始めてみたら、
覚えのあるエピソードがぽろぽろと・・・・。
もしかして・・・読んだことある?
しかしなぜか直義が出てくるシーンの既視感がまったくなかった・・・。ということは、本屋で見かけてぱらぱら眺めて「主人公佐々木道誉だし」とそのまま本棚へ戻したのかも。
それにしても、少しくらい記憶に残っててもよさそうなものなのに・・。とほほ。
感想です。
この時代に興味のある人なら、それなりに楽しく読めると思う。ので、割とお勧め。
佐々木道誉があんまりあれもこれも暗躍し過ぎてて(まぁ主人公だしね)、なんか影で歴史を操ってるっぽくて、フツーなら嫌みになりそうな気がするのですが、そうなっていないのは、登場人物たちの造形がそれぞれしっかりしてて、きちんと生かされてるからか?
ただ、参考資料「太平記だけっ!」とか言い出さないだろうな?と(作者死んでるけど)心配になるほど、「太平記」に頼って話が出来上がっている気がしました。それと、私も山田風太郎作品をそれほど読んだことはないのですが、この人の作品へのイメージが、あれがこれしてスペクタクルでドロドロなイリュージョン!!って感じだったので、意外と上品におとなしく仕上がっていて肩すかし。200ページくらいに後醍醐帝の隠岐遠流から道誉の死までを書いているので、とんとんと進みすぎて、何かあっけなかったです。
足利直義は、道誉の思惑に気付いてはいるのだけれど、どうしても翻弄されちゃうって役どころ。けっこうかっこいいです。


次は、短編集で、安部龍太郎「室町花伝」文芸春秋。文春文庫で「バサラ将軍」と改題されて出ていますが、どちらも絶版。文庫版の方に『師直の恋』という短編が加えられているので、買うならこちらの方がお得かも。私はハードカバーを買った後文庫版の存在を知ったので、ちょっと残念。
この作家をこれまで知らなかったのですが、南北朝時代のお話をいくつか書かれているそうですね。他の作品も読んでみたいです。『師直の恋』も読みたい。
文章がきれい。で、登場人物がみんな、あ~いるいるこういう人って感じなので、感情移入がしやすいです。『狼藉なり』の高師直とか、なんかいい奴で、『バサラ将軍』の足利義満にも「そういう事ってあるよね」って感じ。なので、そこがつまらないと思う人もいるかも・・。
『兄の横顔』という足利直義が主人公の短編が入ってます。
ダメ兄貴に変わって策謀を巡らしていたつもりが、結局兄貴の術中にはまって大塔宮を殺しちゃったのか!?取り返しつかないじゃん。ぼう然。って話。
この作品の直義は尊氏のことが嫌いです。しょっぱなからいきなり「嫌い」って言ってて焦りました。(※読み直してみたら「好きになれない」でした)
子供の頃のエピソードが、すごくかわいいのですけれど、きちんと伏線になっていて、それが切なくてよかった。
しかし・・・『師直の恋』もそうですけれど、この高度経済成長期っぽい題がちょっと・・・・。向田邦子的ホームドラマが始まりそうで・・・。


とりあえず、2作品続けて読みましたが、順々に色々読んでいこうと思っています。


ところで、書店の歴史コーナーへ行きましたら、「乙女の日本史」というピンク色のカバーを付けた本が平積みになっておりましたので、いわゆる「歴女」って、あれな人たちをターゲットにした本か?と思ったのですが、ネットでの感想を読んだらそういうわけでもないらしい。
で、ぱらぱらと中を見ましたら、
南北朝ないじゃん!
てゆーか、目次見たらほぼ年代順に歴史上の人物が紹介されてるんですけど、静御前の次が日野富子ってどーゆーこと!!
乙女には鎌倉時代も南北朝時代も存在しないのか!?
女の子は平安朝と戦国と幕末で出来てるのか!!?
まぁ、南北朝が存在しない事は、この世界ではしょっちゅうあることなんだけどサァ。
そして、「義経」の項で高河ゆんの「源氏」が紹介されていて、「斬新な設定」と書かれているのを目にした私は、静かに本を閉じ、その場を立ち去ったのでありました。
あれ・・・SF。つかファンタジー。
歴史をベースにしたSFマンガでは、フランス革命後のヨーロッパ(ナポレオン戦争?)を描いた岸田恋の「ネオ・ダイナスツ」がかなり好きだったのですけれど(でも商業誌で連載してたのより、その前に同人誌でやってたのの方が、やっぱノリが楽しかった)、なんか掲載誌だか出版社だかがなくなったりして、グダグダになって、私も追っかけるのが大変になってチェック入れなくなってしまったのですけれど、結局同人誌で2冊くらい出た後描かれてないですよね?


なんか、ダラダラと書きました。
ちょうど時間となりましたのでこれにて失礼。


★★★今日読んでいる本★★★
朝の電車の中で「婆娑羅」の解説だけ読んだ。

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