一応、怪談なんです
みなさんこんにちは。
今日もよいお天気ですね。
それにしても、暑い。ついでに眠い・・・・。
今日は娘の誕生日で、私は仕事を休んで、娘と一緒に水族館へ行ってきました。
しかし、午後、娘が学校のフラワーアレンジメント教室を申し込んでいたので、お昼を食べて帰宅。
今自宅の部屋にて、一人これを書いているわけです。
夏だし、私が好きな怪談を紹介しようと思います。
私が読んだのは、井上円了の「妖怪百談」に「天狗の奇話」と題して載っていた物ですが、円了先生も気に入っていたのか、この本の第一話に挙げ、更に「迷信と宗教」にも再掲しています。
元は江戸時代に書かれた「雲楽見聞書記」に、実際にあった話として載っているものだそうです。
寛保の末、茅場町にあった商人の家に3人の子供があったが、2人までは亡くなってしまい、残った一人息子が利発でもあったので、両親はとても大切にかわいがって育てていたそうです。
なんでも上手にこなす息子でしたが、特に囲碁が好きで、あまりにこれに一所懸命になりすぎて、とうとう病気になってしまいました。
両親が手を尽くして、やっとよい医者を見つけて、なんとか元気も取り戻してきたので、
とりあえず碁を打つのはもう止めて、趣味を換え、友だちに誘われるままに湯治へ行く事になりました。
温泉で毎日楽しく過ごしていたある時、友だちが
「この近くに地獄という場所があるそうなので、見に行こう」と言い出したのですが、この息子は「行きたくない」と断り、友だちだけで見物に出かけました。
友だちがその地獄の話で盛り上がっていたのを、2~3日後にふと思い出した息子は、名所を見ずにいるのも残念だと思い、誰にも言わずに、どうせ近所のことだろうと適当に向かったところ、道に迷ってしまいました。
道を聞くにも会う人もなく、このまま帰るのもどうかと思い、更に行きましたが、陽は暮れてくるしお腹は空いてくるし、ここはどこだろうと、丘に登って見ると、遠くに数軒の家が見えるので、とりあえず行ってみようと歩いていくと、幸いにも程なく辿り着きました。
ところが、見回してみても商店のような家もなく、どうしようかと突っ立っていると、ある家の前に人が集まって碁を打っている。
話のきっかけにタバコの火を借りて見ていると、色々話しかけられ、「一ばん打ってみないか」と言われ、最初は遠慮していたのを「ぜひに」と言うので数回打つと、悉く勝ってしまいました。
「もうこれから湯本に帰るのは大変でしょうから、泊まっていきなさい」と言われ、軽い食事なども勧められて
「とても私たちでは勝ち目がないから、先生を呼んできましょう」と言われ、
この村の外れで医者をしている、碁の先生と呼ばれる人が連れてこられました。
ところが、息子はこの先生にも悉く勝ってしまいます。
その場にいた人たちは、みな呆然としながらも、夜も遅くなったので泊まっていきなさい、と言うので、その日はそこに泊まり、翌朝宿へ帰りました。
宿へ帰ると大騒ぎで、どこへ行ってしまったのかとみんなで心配して探していたと、息子を叱るやら喜ぶやら、泣くやら笑うやら、とにかくよかったということで、とりあえず笑い話で済んで、江戸へ帰ってもこのことは両親には秘密という事になりました。
その翌年、一緒に湯治へいった友人から、「また去年の温泉へ行ってみないか」と言われ、「ぜひ」ということになって、出かけました。
何日かを宿で過ごし、碁を打ったことを思い出し、また行ってみるかと、今度は弁当も用意して、道に迷わぬように印なども付けてあの村を目指しました。
再び歩いてみると、見覚えのある道もあって、去年と同じ丘に出て、目的の場所へ辿り着きました。
あの家はどこだったろうと歩き回ると、これだと思う家に着きましたが、見ると、中庭のようになっている土間に土を盛って、東屋など建てて、その中に碁盤を置いて碁器をならべ、東屋の軒に注連縄なども張って賽銭箱が置いてある。
タバコの火を借りるのを口実に訪ねると、そこにいた老人が言うのには、
「この近くに碁打ちの人がありました。名人と呼ばれ、敵う者もなく、増長し憎まれてもいましたが、弟子になる人もいて、益々得意になっていました。
ところが、
去年の今頃、あなたのようにどこからか忽然と現れた人があり、この名人と碁を打ったところ、名人が十番まで負けてしまいました。
その時、みんなが言うのには、「これは名人があまりに高慢なので、彼の高慢の鼻を折るために、天狗が人に化けてやってきたのだろう」ということです。
それより後は、この勝負は絶対に負けられない。という人たちが、この碁盤に向かって祈ると負ける事がありません。それもそのはず、これは天狗様が触れた碁盤なのですから」
そんなわけで、息子は、その天狗は自分だと言う事もできず、帰ってきたのでした
とゆー話、
途中色々怪談的要素がありつつ、
「オチはそれかい!!」
ってのが、大変私の趣味に合っているのです。
円了先生は、これを「誤怪」に分類していますが、まぁ本当に、こんな風に生まれた怪談もけっこうな数あるのではないでしょうか。
さて、娘がフラワーアレンジメント教室で、花束をもらってきました。
って、片付けの手伝いをしたらくれたそうです。
んで、この両親は、娘の希望でWiiのソフトを買い与えたのですが、ラッピングを家でする予定が、あるつもりでいたラッピングの紙がなくて、しかたなく、亀屋萬年堂の包装紙でラッピングして、姑息にリボンなど掛けてごまかしておりました。
まぁ娘にしたら、中身が大事で、ラッピングなんてソッコーゴミ箱行きでしたけどね~。
★★★今日読んでいる本★★★
何か読んでいたような気もするのですが、
今酔っぱらいで、思い出せません。
あっケーキをまだ食べてないや。
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